【保存版】絵柄と形に隠されたストーリー。ベトナム伝統の器「ソンベ焼き」をもっと愛おしく知るガイド
こんにちは、ít ít Việt Nam(イットイットベトナム)のMegです。
職人さんが1つひとつ手描きや手作業で仕上げる、素朴で温かみのあるベトナムの伝統陶器「ソンベ焼き」。 レトロで可愛いソンベ焼きですが、実は描かれている絵柄や独特の形の一つひとつに、ベトナムの歴史や人々の暮らしの知恵がギュッと込められているのをご存知ですか?
今回は、知っているとお買い物が10倍楽しくなる、ソンベ焼きの「4つの絵柄」と「3つのユニークな形」の裏側にある愛おしいストーリーを紐解いてご紹介します。
📍 暮らしの記憶と願いを映す「4つの象徴的な絵柄」
1. 桃の花(Hoa Đào)|見たことのない国花を、想像力だけで描いた「尊い花」

ソンベ焼きと聞いて、真っ先に思い浮かべるのがこの鮮やかなお花の模様ではないでしょうか。「あ、可愛いピンクのお花だな」と思うかもしれませんが、実はこれ、ベトナムの歴史と職人たちのものすごいイマジネーションが詰まったソンベ焼きで一番特別な模様なんです。
ベトナムといえば現代では「ハスの花」のイメージが強いと思いますが、実は以前、ベトナムの国を象徴する花(国花)は「桃の花」でした。 しかし、桃の花は寒冷な気候を好むため、ベトナム北部のハノイ近郊にしか咲きません。一年中暖かい南部のソンベ(現在のビンズオン省周辺)では、育てることすらできなかったのです。
当時は今のようにインフラも整っていなかったため、お正月に北部の桃の花が南部に運ばれてくることもありませんでした。つまり、南部のソンベ焼き職人たちは、本物の桃の花を一度も見たことがなかったのです。
「僕たちの国を象徴する、美しい桃の花とはどんな姿なんだろう?」
職人たちは、北部から旅してきた人々の「口頭での噂話」だけを頼りに、頭の中で想像力を限界まで膨らませてこの花を描きました。 だからこそ、ソンベ焼きの桃の花は、本物のピンク色だけにとどまりません。ある職人は青で、ある職人はグレーや黄色で……と、驚くほどカラフルで自由な色で描かれています。
「これが桃の花?」とびっくりするかもしれませんが、それは職人たちがまだ見ぬ祖国の花へ想いを馳せて描いた、優しくて尊いイマジネーションの結晶なのです。
2. 鶏(Con Gà)|時計のなかった時代、朝を告げた大切な家族
東南アジアの器でよく見かける鶏のモチーフ。ベトナムは元々農業がとっても盛んな国ですが、まだ時計がなかった時代、農民の方々にとって鶏は「時間を教えてくれる大切な家族の一員」でした。
毎日、朝になればまったく同じ時間にコケコッコーと鳴くことで、人々は一日の始まりを知っていたのです。暮らしに深く寄り添い、まさに家族のようになくてはならない存在だったからこそ、職人たちによって身近な器にたくさん描かれるようになりました。
3. ザクロ(Quả Lựu)|幸福を意味する、隠れた名作スタンプ柄
ベトナムで「幸福」を意味する縁起の良い果物、ザクロ。実はソンベ焼きの中でも、知る人ぞ知る隠れた人気商品なんです。

何が良いかというと、全体の色合いがとっても落ち着いていること。そのため、乗せるお料理を邪魔せず、引き立ててくれる相性の良さが抜群なんです。 素朴なスタンプでポンポンと描かれているのですが、実はこれ、職人さんが毎回「どういうバランスで押すか」をその時の自由な発想で決めています。そのため、1つずつ少しずつ配置やバランスが異なる一点物。ぜひお店で、自分が一番ビビッとくるデザインのザクロを見つけてみてくださいね。
4. トンボ(Chuồn Chuồn)|農村の暮らしを支えた「お天気予報士」

ベトナムの農村生まれの作家たちが好んで描いたのがトンボ。まだ天気予報なんてない時代、農民たちにとってトンボは「お天気を教えてくれる大事な昆虫」でした。
ベトナムには昔から「トンボが高く飛べば明日は晴れ、低く飛べば明日は雨」ということわざがあり、日々の農業の段取りを決めるための、なくてはならない存在だったのです。毎日空を見上げてトンボを見つめていたからこそ、自然と器のモチーフになりました。
💡 出会えたら奇跡!お店で探したい「幻のレア柄」
基本のパターンのほかに、コレクターの間で血眼で探されているレア物があります。
- 地名・年代入り:器のどこかに、作られた村の名前や「1970」といった西暦がヴィンテージ風に書き込まれているもの。
- ムーンフェスティバル(中秋節)柄:お月様やランタンなど、秋のイベントをモチーフに期間限定で作られた貴重なデザイン。
大量生産ではないからこそ、市場にめったに出回らない宝物。ít ít Việt Namの店頭にも時々ひょっこり入荷するので、ぜひ目を凝らして探してみてください!
📍 歴史が作った美しいシルエット「3つの形とふだん使い」
ソンベ焼きは、絵柄だけでなく「形」にも面白い歴史のレイヤーが重なっています。
■ フランスの食文化が融合する「オーバル(楕円)皿」

丸皿が多いアジアの陶器の中で、ひと際お洒落な存在感を放つオーバル皿。これはかつてベトナムがフランスの統治下にあった時代、西洋のアペタイザー(前菜)やメインの肉・魚料理を美しく盛り付けるために生まれた、食文化の融合のカタチです。
もちろん生ハムやチーズ、カルパッチョなどを盛るのにも最高なのですが、実はこれ、日本の「焼き魚」や「餃子」を並べるのにもの凄く相性が良いんです!長方形や楕円の日本の定番おかずがシンデレラフィットする、とにかく使い勝手の良い優秀なシルエットです。
■ 料理を豊かに、美味しく見せる「リム皿」

縁(ふち)が一段高くなっているリム皿。昔のベトナム北部で食料が貴重だった時代に、「少なめのおかずでも器の魔法で多く、豊かに見えるように」と作られた生活の知恵から生まれた形です。綺麗にスタッキングして食器棚にすっきり置ける収納性の高さと、お料理のまわりに絶妙な「余白」を作って普段のご飯を勝手にプロっぽく華やかに見せてくれる、とてもおすすめのお皿です。
■ 西洋の形をアジアの縁起で昇華した「10角形皿」

1970〜80年代頃、フランスで流行していた「オクトゴナル(八角形)」のお皿。フランス人によってベトナムに持ち込まれたそのデザインをベースに、ソンベ焼きでも多角形のお皿が作られるようになりました。
ですが、ここからがベトナムの面白いところ! 中国やアジアの文化圏であるベトナムでは、「8」という数字よりも、“十全十美(完璧で何ひとつ欠点がないこと)”や満点を意味する「10」の方が圧倒的に縁起が良いとされているのです。そのため、西洋の八角形がベトナムの職人たちの手によって、より縁起の良い「10角形」へと変化して強く根付いたと言われています。手作業で落とされたエッジが、モダンでハッとするほど美しいお皿です。
ストーリーと一緒に、あなただけの器を食卓へ
朝を告げる鶏、職人さんの気まぐれなザクロ、お天気を変えたトンボ。 そして、フランスの香りを残すオーバル皿や、満点を意味する10角形のお皿。
ソンベ焼きは、ただの「可愛いベトナム食器」ではなく、ベトナムの人々の歴史と優しい祈りがぎゅっと詰まった、生きたストーリーそのものです。

ベンタイン市場から徒歩2分のNắng Ceramicとít ít Việt Nam では、そんな背景まで愛おしくなるようなソンベ焼きを大切に並べています。
ぜひ、冷房の効いた涼しい店内で、歴史の物語に思いを馳せながら、あなたの日常をちょっと豊かにしてくれるお気に入りの1枚をゆっくりと探してみてくださいね。
ít ít Việt Nam 実店舗のご案内 📍
ホーチミン店:ベンタイン市場からすぐ!

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📍3rd floor, 14 Đ. Nguyễn An Ninh, Bến Thành, Quận 1, Ho Chi Minh City, Vietnam
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⏰10:00 AM – 5:00 PM
🚶ベンタイン市場から徒歩2分
💳現金・クレジットカード可
ホイアン店:旧市街の散策ついでに

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📍567 Đ. Hai Bà Trưng, Phường Minh An, Hội An, Quảng Nam
→Google Map
⏰10:00 AM – 6:00 PM
🚶ホイアン日本橋から 徒歩約10分
💳現金・クレジットカード可
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ベトナムでお会いできるのを、スタッフ一同楽しみにしています♡






